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サイドマウント

タンクを背中に背負わないユニークなスタイル

2012年6月にPADIのスペシャルティコースに「PADIレクリエーション・サイドマウントダイバースペシャルティコース」
が登場したことにより、一躍注目を集めることになった「サイドマウント」の様なスタイルで、一般的なスタイルと
比べてどの様な特徴があるのか・・・!



「サイドマウント」って何?
最近、海をアクティブに楽しむダイバーから「サイドマウント」でのダイビングに注目され始めています。
「サイドマウント」とはその名の通り「Side(横、脇)」+「Mount(取り付ける)」で、体の脇にタンク(シリンダー)を
付けて潜るダイビングスタイルのこと。
通常のダイビングが背中側に1本のシリンダーを付けて潜るのに対し、サイドマウントでは体の両脇に1本ずつ、2本
のシリンダーを付けて潜るのが基本です。
これまでは、ケープ(洞窟)でのテクニカルダイビングなど、限られたダイバーの為のスタイルというイメージが強かった
のですが、PADIがサイドマウント ダイバースペシャルティコースをスタートさせたことにより、「サイドマウントは、
ケープダイバー専用でもなければ、テクニカルダイバーだけのシステムでもない」と多くのダイバーが気づき始め、
レクリエーションダイビングの新しい楽しみ方のひとつとして注目を浴びるようになりました。

実際にサイドマウントでのダイビングを体験してみると、そのメリットの多さに気すづきます。中でも印象的なのが
水中でのバランスの良さ。背中に1本のシリンダーを付けた通常のスタイルだと、左右のどちらかにバランスが傾くと
ローリングしやすいのですが、2本のシリンダーを両脇に付けたサイドマウントは、左右のバランスが抜群。
水平姿勢がとりやすく、水中での移動中はもちろん、安全停止でのホバリングの際も安定した姿勢をキープできます。
背中にタンクがないので、首を上げたときに後頭部にシリンダーバルブが当らないというメリットも。

また、最近国内でも普及が進んできているエンリッチド・エアのシリンダーを使用すれば、水中の滞在時間をより長くする
ことができます。もちろん、通常の空気シリンダーでも、2本を使用するので長く水中にいる事が可能ですが、減圧不要
限界を長く延ばせるエンリッド・エアでこそ、その価値を発揮。
被写体に対し、じっくり粘って撮影したいフォト派ダイバーにとっても、非常に便利なダイビングスタイルといえるでしょう。

その他、水中の快適面でも、ダイビングの安全面でも、可能性を大きく広げてくれるサイドマウントでのダイビング。
皆さんもぜひ一度、体験してみてはいかがでしょうか。

■一般的なダイビングスタイル■
■サイドマウントスタイル■
BCDの背中側にシリンダーを装着するのが一般的な
ダイビングスタイル
体の両サイドに(もしくは片側)にシリンダーを付ける
スタイル。流線型がとりやすく、バランスの良さが魅力


サイドマウントで潜るメリットは?

@流線型の姿勢をとるのが簡単!
2本以上のシリンダーを使用する場合、サイドマウントなら流線型の姿勢を非常に簡単に取ることが出来ます。
正しくセッティングすれば、水底への接触も避け、環境に配慮したダイビングが楽しめます。

A器材の運搬が簡単!
1本の大きなタンクよりも、2本の小さなシリンダーの方が、簡単に運び、装着する事が出来ます。体力に不安のある
ダイバーにとって、水中で器材を装着できる状況にあるならば、より大きなメリットになるでしょう。

Bスタイルに多様性がある!
サイドマウントは、1本のシリンダーで行うことも可能で、レクリエーションダイビングの適応性を広げる素晴らしい方法
になります。体力に不安のあるダイバーにとっては、1本のシリンダーのサイドマウントはエントリー&エキジットをより
容易にしてくれるでしょう。

Cガスの供給量の増加!
2本のシリンダーを使用することで、より長くダイビングを楽しむことが出来ます。特に、エンリッチドエアを使用すれば、
減圧不要限界に達する前にエア切れになることなく、非常に長い潜水時間を得ることが可能です。

D器材の扱いやすさ!
サイドマウントでは、レギュレターのファーストステージとバルブ、残圧計が自分の体のすぐ前に位置するため、ガスの
管理が容易にできます。そのため、トラブルへの対処もスムーズです。

Eフィット感の調整のしやすさ!
ほとんどのサイドマウント用器材は、水中で適切な姿勢がとりやすいよう、器材の位置を調整してフィット感を高める
事が可能です。

Fエア切れの危険性を減少!
2本のシリンダーを使用したサイドマウントでは、使用しているタンクのエア(ガス)がなくなった際、バディが近くに居なく
てももう1本のシリンダーに切り替えることでエア切れに対処することができます。


サイドマウントで潜るのに必要なもの!「イメージ画像」


@サイドマウント用にデザインされたBCDは、腰またはお尻の上部のあたりに、タンクを留めるためのDリングや
レールが付いています。また、適切な位置を維持する為のクロッチ・ストラップ(股かけ)が付いたものが多くあります。
メーカーによっては、サイドマウント用のデザインでも、背中にタンクが取り付けることが可能のものもあり、ひとつの
BCDで2つのスタイルのダイビングを環境に応じて楽しむことが可能です。
前面は胸の部分にDリングがあり、タンクの上部を留める際に利用します。

Aタンクの上部を固定する為のラバー製コードまたはバンジー

Bタンクの上部を胸のDリングに留める為のクリップ

Cタンクの下部に装着するバンド

D長いホースをまとめ、流線型を保つ為のチューブやバンド

Eレギュレーター
左側のレギュレーターには、一般的な長さ(80〜90cm)のセカンドステージ、残圧計、BCDにガスを給気する為の
中圧ホースを取り付けます。このセカンドステージは、使用していない間は、ネックレスの様に保持します。右側の
レギュレーターはバックアップ用BCDまたはドライスーツにガスを供給することが無ければ、セカンドステージと残圧計
のみ取り付けます。セカンドステージのホースは、バディに供給しやすい様に、1.5〜2mの長さにします。
残圧計は視認しやすいよう、短い高圧ホースを使用します。

「上記の器材はレンタル可能です」


サイドマウントに適したタンク(シリンダー)は?
普段のダイビングで使っているタンクを使うことが出来ますが、水中で沈みやすいスチールタンク
はバランスがとりにくく、アルミタンクの方が姿勢が安定しておススメ!。
ただ、普段使う10gのタンクは、2本装着するとなると、陸上での運搬や装着した時の負担がけ
っこう大きいので、6g位のアルミタンク(写真は日本アクアラング)が扱っているCatalina製5.7L
アルミ二ウムタンク)があると非常に便利です。


サイドマウントで注意すべき点は!

@陸上で全器材を装着すると扱いにくい
陸上で一般的な10gのタンクを2本装着すると、立って移動するのはかなりの負担です。そのため、通常は水に
入ってからシリンダーを装着します。上で紹介した6gのアルミシリンダーのように、小さなタンク2本なら非常に楽に
なります。

Aタンクの残圧の管理が複雑
2本のシリンダーを体の左右に配置した場合、片方のシリンダーのガスだけを扱っていると浮力のバランスが崩れてし
まう為、2本のシリンダーの残圧が比較的近い値になる様に、定期的2本のセカンドステージを交換しながら潜ります。
この方法はスペシャルティコースで学ぶ為、それほど難しいことではありません。

Bバディの不慣れ
サイドマウントについて知らないダイバーとバディを組む事があるかもしれません。ただ、ダイビング計画を立てる際に
伝えなければならない事は、それほど多くありません。


どこの海で!

サイドマウントでのダイビングが注目を浴び始めたのは最近なので、サイドマウントを楽しむ環境が整っているとは
まだまだ言えません。もちろん、通常のシリンダーを使用して行う事も可能ですので、どこの海でも楽しめますが、
将来的に前途のような小さなアルミシリンダーが用意されたダイビングエリアが増えてくれば、より容易に楽しむことが
できるでしょう。


上級者向けのスタイル!

「サイドマウント」というとテクニカルダイビングのイメージがあり、「上級者向けのスタイル?」と思う人もいるようですが
レクリエーションダイビングのスタイルのひとつとして、ダイバーなら誰でも体験する事が出来ます。
将来的のはサイドマウントスタイルのオープンウォーターダイバー講習を受けることさえ出来る様になるかも。
もちろん、いずれテクニカルダイビングに進む事を考えている人にも導入編として◎です。



PADIレクリエーション・サイドマウントダイバー・スペシャルティコースの流れ!

サイドマウントでのダイビングに必要な知識、スキルを身につけるなら、まずはスペシャルティコースの受講がおススメ!
インストラクターの下で、効率的に身に付ける事が出来ます。コースの一般的な流れは以下のとおり。


知識開発(レクチャー)
「知識開発」では、サイドマウントダイビングを楽しみ為に必要な以下の知識を習得します。
インストラクターからレクチャーを受け、ナレッジレビューできちんと知識が身に付いている事を
確認します。「教材⇒サイドマウント&TECサイドマウントダイバーマニュアル¥3,888」
主な内容!
・サイドマウントの利点、欠点
・サイドマウントでのダイビングに必要な器材と使い方
・サイドマウントならではのダイビングスキル(ウエイト量、ガスの管理、水中姿勢、フィンキックなど)
・トラブル時の対処法など
実施応用!
限定水域ダイブの前に、バディ同士でサイドマウント器材のセットアップを行ない、きちんと器材を準備・
調整できることを確認します。このセクションは、知識開発と統合して行われる事をあります。
トレーニング・ダイブ
[限定水域(1ダイブ)]
プールまたはコンデションの安定した海の浅場で、サイドマウント器材のセッティングから、浮力コントロール
や緊急時の対処法まで、サイドマウントでのダイビングに必要なスキルの全てを練習します。
特に、器材をどの様に装着し、調整するかは、ここでしっかりと時間をかけて練習し、体に慣らすことが
おススメ。1本のタンクを使用したサイドマウントのオプションをカバーする場合は、限定水域が2ダイブに
なることもあります。
主な内容!
・サイドマウント器材のセットし、装着・調整
・エントリー、浮力調整
・2本のタンクでのセカンドステージのスイッチ(交換)
・中性浮力の確保
・エア切れ時のシュミレーションなど
[海洋実習(3ダイブ)]
限定水域で練習したスキルが、実際の海でのダイビングでもスムーズに実施できることを確認します。
インストラクターが突然、緊急事態のシュミレーションを行うことも、落ち着いて対応しましょう。

参考

限定講習:2ダイブ(エアー使用) 海洋3ダイブ(ボート、ナイトロックス使用)但しナイトロックスSP取得者

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